コピー (3) ~ b1 東 洋 式 疑 似 餌 釣 研 究 所             利根川サクラマス

東 洋 式 疑 似 餌 釣 研 究 所            

もっと自由に もっと深く 人と魚との出逢いを求めて。

利根川サクラマス

利根川のサクラマス。美しく、強かで、気難しい、気まぐれの憧れた魚たち。
僕なりの出逢いと、視点でこの魚の話をさせて頂くが、まず、今回は釣り人である僕の個人的な見解であり、総じて決め付けるものでは無いとご理解頂きたい。そして、釣れない魚と日々向き合う方々に「サクラマス釣りを楽しむ」そんな世界がある事を知って欲しいと願います。

僕を育てた大河、利根川。
関東平野の真中に、のどかな田園風景の中でその本流は太く豊かな水を湛え、ゆったりと静かに流れていた。
僕はその土地に生まれ育ち釣りを覚え、やがてその地を離れた。

昔、ある釣具店のご隠居である大先輩が話していた。
「あの川に堰が出来た年は大きい鱒が釣れたもんだがその後数年で姿はとんと見なくなったねぇ」

僕の祖父も話していた
「銀色の鱒がこの川にいるんだ、あれはフナや鯉なんて魚じゃない。」
1970~1980年代初めまではそんな程度の情報しか無かった。

僕に釣りを教えた叔父が言った。
「親父の言ってる鱒を俺も見た、あの速く太い流れで鰭も動かさずに止まってヒゲナガをゆっくりと堂々と咥えたんだよ。その辺の魚とは違うんだ」

幼少期にそんな事を言われたもんだから、大河には大きな鱒いるという神秘的な伝説が僕の記憶に焼きついた。
やがて時が流れて、平成という時代がこの釣りのブームを起こしたのであるが、昔からサクラマスを釣る者においてはブームだから釣るのでなく「神秘だから釣ってみたい」「この眼で見てみたい」という衝動に突き動かされるように川に立ち竿を振ると言うのがあると思う。

少なくとも謎の多い降海したヤマメの祖先に僕等アングラーは虜になっていたのだろう。
そして僕の本流の鱒釣りがスタートした。

何でも釣る僕の釣りにおいて仮に本業があるとすれば、このサクラマスという魚であろう。
つまり僕が釣ってる気持ちは自慢したいとかテクニックとか興味本位ではなく、その神秘に向き合いたいのだ。

当初は地元の人間でしかも相当限られた人しかここでの釣りをしていなかったが、後にNETや雑誌で紹介される度に一人、また一人とサクラマスを求めて通う人間が増え始めた。人が増えればそれだけ実績も増え、私も釣れた、なら私も釣れると 人が人を呼び、誰もが知るメジャーな河川となった。

一般的な情報になる以前は釣場にアングラーの姿を見かけない日というのもあったので自由に釣る事も出来たのだが、そんな状況は長く続く事は無かった。

ある時期、群馬の有名な釣りクラブの大将がそれらを雑誌に利根鱒と書き売り込んだ。
やがてこのブームは僕達の鱒に利根鱒という川の名前を付け、誰もがそう呼んだ。

利根川のサクラマス・利根鱒と言ってもその個体差は多様であり、一概に○○鱒と呼ぶには難しいと思う。
分類をすればヤマメかサクラマスか鱒だろうが、その前に僕等の大先輩達(木製の和船に乗る川の漁師達は)総称で鱒(川マス)と呼んでいた。嘗てはどこの川にもニジマスを放流していた時代もあり、ニジマスとは違うマスがいるというのは良く聞かされた。

実際に釣をしてみるとわかる事だが利根川のサクラマスは何時でも釣れる魚では無いから、通えど釣れず苦労する人もいるし、運良く初回釣行でヒットしてあっさりキャッチする人もいる。その差はなんだろう?と悩む前に釣れる日、釣れる地合、掛けた魚を逃さない為に通う努力をするべきだと僕は考える。

何処の河川でも地元の名手、名人という者が存在すると思う。まずはそんな良いお手本と出逢う事がキャッチへの近道ではないかと思う。

毎年、毎シーズン、コンスタントに釣果を重ねる名手になりたい。

この利根川にもそんな人達の存在はある。まずは、偶然釣れた人ではなく、狙って釣った人から学ぶべきであると思う。多くの方がサクラマスとの出会いに喜べる反面、また多くの方が失望に肩を落としこの釣り場を後にする。
僕も数年は、悔しいシーズンを重ねた。諦め切れず幾度も通い、夏になり、秋になり、冬になり、また春になり。
多くの仲間と多くの鱒達に出逢い、そして学びやがてこの釣を「楽しむ事」が出来る様になった。

利根川のサクラマスとは何か?
それは、太平洋型サクラマスであり、日本海側から比べるとやや小型が多いという特徴が有るのだが、それは海水温の差だとか色々言われている。更に河川残留型のスモルト個体が成長したもの、短期降海で回帰したものなど実に多様であると推測される。すなわちヤマメとサクラマスに明確な種としての違いは無く、多様性に満ちており棲み分けや分布は極めて複雑であると考えている。つまり、30センチの降海した個体もあれば、50センチの海を知らない河川残留型がいたりもするわけである。

色々な意見がありますが、その地方やその年の降雪量というのがサクラマスの幼魚には大切だと僕は考えている。
幼魚は雪代で沢を降りて、スモルトになり海を目差し雪解けの頃再び成魚は海から生まれた沢を目差す。
つまり、雪の多い地域のサクラは多いのである。

利根川で釣をする者ならば、太平洋沿岸で白鮭の南限である利根川に棲むサクラマスはどういうものなのか?
貴方なりのその答えを探して欲しいと願う。

北の地方、ロシアや北海道では川が氷結する。
その川のヤマメは全て海に降りると言われている。

逆に南では、台湾の高山にはサラマオマス(台湾鱒)というヤマメの仲間が居る。

嘗て世界が氷河期だったころに全てのヤマメは降海していたことだろう。
内陸に残留した個体の末裔がヤマメやアマゴになったと推測できる。

サンプルは決して多くある訳ではないが、目線を変えてこの魚を見て欲しい。


さて、今回は利根川産サクラマスいわゆる利根鱒に焦点を合わせて個体差を見てみたいと思う。
利根鱒               利根川にいるから利根鱒。個人的価値観で言えば利根鱒という呼び方は好きではない。
利根鱒平均個体            上の魚とは違うけど群は一緒か?50センチ前後が平均個体である。体形的にも太くもなく細くも無く流線型。
利根鱒淡水タイプⅡ            上の画像は小型のタイプで本流ヤマメの性格。鮎や虫を盛んに捕食する、僕は河川残留型スモルトと分類している。でも少し胸鰭が黄色いから本当は擬似銀化ヤマメです。サクラマスのはっきりとした遡上の動きとはまた別で、外洋に出ずに東京湾でリターンするので東海以南のサツキマスに近い性格である。尚このタイプの遡上はダラダラと梅雨明けまで続き、越夏したあと10月になるとまたどこからか出没し再び上流目差し川を上り出す。仮説としては秋遡上の存在を否定する事は出来ない。そして現在、僕が追いかけている九州に存在する鱒は概ねこのタイプでは?と推測している。
利根鱒淡水タイプ             個体としては大きいけど、僕はコイツが海まで落ちたとは思えない。通常のサクラであれば尾鰭の下側が削れるくらい海からこのエリアまでの道程は長いのだ。分類的には本流の擬似銀化タイプ、尾鰭の透明度が曖昧である。そして側線近くまで背中の色が強いつまり銀化がいまいち。激しくローリングしても鱗も剥がれることは無い。
利根鱒フレッシュラン            海まで行ったものが一気に遡上するのであればこうあるべき。つまり利根サクラマスのあるべき姿。4月に突然姿を見せたフレッシュラン。
20081203000959_convert_20100614011745.jpg
然るべき場所でちゃんと釣ればシーズンに一度や二度ははこんなこともあるのだ。
サクラマスが群で居ることの証。
午後のサクラマス    
最も遅い時間は深夜11:45分 色々なカラーやルアーで釣れる。
ルアーのヒットカラーやヒットタイムに固定観念は不要。

サクラマスを追うアングラーに伝えたい。
その日、もし釣れなくても悩むことはないということを。
この魚は居れば釣れる可能性があるのだ。

もちろん居ても釣れない状況もある。
釣れないことは恥ずかしいことでもない。
釣れることが偉いわけでもない。

実績や情報が無いのなら自分達で作ればいい。

※2010.5 本文の一部を訂正致しました。

テーマ:ルアーフィッシング - ジャンル:趣味・実用

  1. 2008/12/03(水) 21:04:28|
  2. 本流櫻鱒疑似餌釣
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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  1. 2009/12/15(火) 23:21:32 |
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■北は青森県~南は九州まで釣歩いた疑似餌釣師です。

源流から沖合いまで疑似餌で釣れると聞けば何処へでも向った時期は終わり、現在は筑後地方での疑似餌釣りを楽しんでいます。

沢のイワナから青物まで何でも釣ったら面白いと思います。

今までの僕は、人から釣を学び自分の釣りにしてきた。
今現在の僕は、人に自分の釣を伝えたいと思った。
此処からの僕は、誰よりも釣を楽しんでやる。

書籍 東洋式疑似餌釣研究所 2008~2010傑作選

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